2022.8.14

「信望愛主」

テーマ「ノアの見たもの」

聖書 ヘブル 11章7節、創世記 6章5〜22節

  

 

私たちは近年経験したことのない豪雨に遭遇し、東北における大洪水のニュースを見ています。図らずも台風の襲来を受け驚くべき豪雨も見ました。

今日の「ノアの洪水」のことを想像するために、改めて豪雨のニュースを見るべきでしょうか。

日曜学校のお話でよく取り上げられる楽しい物語が「ノアの箱舟」ですね。創世記には6章から9章まで、彼の生き方と、箱舟建造、大洪水とその惨状、動物たちの事、オリーブの葉をくわえた鳩の事、洪水後の新しい時代の事など膨大な資料を残しています。しかしヘブル人の手紙11章では、わずか1節しか記録していません。そこでフォーカスを絞って「ノアの信仰」について学びましょう。それは嵐の時代に学ぶべきレッスンなのです。

 

「信仰によって、ノアはまだ見ていない事柄について御告げを受け、恐れかしこみつつ、その家族を救うために箱舟を作り、その信仰によって世の罪をさばき、そして信仰による義を受け継ぐ者となった。」(11: 7)

「ノアはその時代の人々の中で正しく、かつ全き人であった。ノアは神と共に歩んだ。」。(創世記6: 9)

「ノアはすべて神の命じられたようにした。」(創世記6: 22)

 

☆ノアの信仰とは、120年にわたる箱舟建造中の迫害によってぶれることなく、神に従い、着実に仕事を果たした点にあります。彼はきたるべき大洪水がどういうものであるか想像もできなかったはずですが、神の言葉に従い、淡々と役割を果たしたのです。(120年の建造期間については創世記6: 3の御言葉から解釈されています。)

 

☆新約聖書の観点から解釈すると「箱舟」は教会を意味していると言われます。そして箱舟に入る事は、バプテスマを意味しているのです。大洪水は私たちが通らねばならない自我の死であり、箱舟によって新しい命をいただくことになります。

 

☆大洪水は神の審判を意味しています(マタイ24: 37-39、第二ペテロ2: 5) 私たちがこの終末的時代にどう生きるかと言う指針が与えられています。この世と妥協することのない、ひたすら正しく生きようとする信仰の方向性が示されています。ノアが「全き人」であったとは、神の御心に100%沿って生きようとした生き様を表しているのでしょう。

 

☆「ノアの見たもの」とは何だったのでしょうか?それは「未来」であったと思います。ノアの大洪水で人類の歴史は一度終わったのです。しかしノアとその家族だけが次の時代に生き延び、その末裔として私たちも生きているのです。

 

「私は雲の中に虹を置く。これが私と地との間の契約のしるしである。」(創世記9: 12)

☆ノアの素晴らしさは、神との新しい契約を結んだことです。それが虹の中に示されたことです。神は再び人類を裁かないと約束されました。ノアという名前は「安息、慰め」と言う意味があります。彼の信仰が人類の歴史に「未来」をもたらし、希望となり、平和を作り出すこととなったのです。

 

私たちは聖書に記録されているような偉大な人物ではありませんが、それぞれ置かれた場所において、ノアのように安息と希望をもたらすものとなるために召されているのです。

絶望的な現代社会にあって、「信仰」によってのみ明日への希望を見いだすことができるのです。ノアが見た虹を見続けましょう。そして現代における虹🌈はイエス・キリストの十字架です。

今週も神の安らぎがあなたと共にありますようにお祈りいたします。

小田 彰