2022.1.23

「信望愛主」

テーマ「生ける石 霊の家」

聖書 第一 ペテロ 2章4〜10節

 

皆様がどこにあっても、神様との交わりを大事にして、良い礼拝を捧げることができますように祈っています。東京においては蔓延防止等重点措置の発令によって、私たちのチャペル礼拝も休会となりました。このメールとともにYouTubeの動画、テレフォンサービスなどを併せて聞いていただき、聖書を開き味わっていただければ幸いです。

今日のテキストは「キリスト者の特権」と言われる箇所です。試練の時代に生きる人に必要な事は、いかに偉大で尊いお方によって導かれ、救われたかを悟ることです。その聖なる誇りこそ、迫害の時代に生きる人の力の根源なのです。

 

①イエスキリストは自分の民族から捨てられ、十字架にまでかけられて殺されました。しかし、ペンテコステの聖霊が降った後、教会が誕生し、毎日何千という人々が回心して新しいコミュニティーが形成されつつあります。そして捨てられたお方が実にすべての民族を超えて全世界の人々の主となり、王となり、救い主となられたのです。ペテロ自身もガリラヤ湖畔で会ったイエス・キリストが、十字架、復活、昇天を通して神のみ子であったことを知りました。いかに尊いお方との出会いであったかということに気づき、驚き、感激して宣べ伝えたのです。

「主は人には捨てられたが、神にとっては選ばれた尊い生ける石である。」(1:4)

「家造りらの捨てた石が隅のかしら石となった」(詩篇118:22)

隅のかしら石とは、石造りの大神殿の柱と柱を組み合わせ、すべての力が集中する一点に置かれる石であって、それなくしては建物が立ち続けることができない大切な石なのです。英語ではchief cornerstoneと言います。

まさにイエス・キリストによって世界が動き、完成されていくのです。歴史の中心に存在するお方なのです。

 

②この信仰によって私たちも「生ける石」となり神の国の建設の一端を担うこととなるのです。そればかりではなく、神と人との仲介役をする祭司の役割を果たすことになります。

この石と言うのは石ころではなく、石材のことです。ペテロスではなくリンスです。祭司の仕事は執りなして祈ることです。私たちはそのために生かされているのです。

「この主の御もとに来て、あなた方も、それぞれ生ける石となって、霊の家に築き上げられ、聖なる祭司となって、イエス・キリストにより、神に喜ばれる霊のいけにえを捧げなさい。」(2:5)

 

③私たちに与えられた特権。

「あなた方は、選ばれた種族、祭司の国、聖なる国民、神につける民である。」(2:9)

ここで「祭司の国」とは、エジプトを脱出したイスラエル民族に与えられた称号です。(出エジプト19:6)しかし新約聖書では、イエス・キリストによって救われた人々の教会が、世界の人々を救う祈り手となると語られています。昔は祭司が同時に王となりました。神の声を聞き国を正しく導くことができる力を持っていたからです。「神につける民」とは神の目的のために選ばれた人々であって、神の奇跡によって生かされている人々です。

 

ペテロはこのような素晴らしい称号が与えられているのであるから、いかなる迫害の中にあっても輝かしく生きようと励ましています。

 

④「それにより頼むものは、決して、失望に終わることがない」(2:6)イエス・キリストにより頼む人生は、決して恥を被ることがない。なぜなら神の計画は必ず実現していくからです。

 

聖書を通して私たちがこのような「確信」を持つことができるならば、どのような困難をも乗り越えていくことができる。そういう聖なるプライドを持ちなさいと語られています。

 

今日のテキストはキリスト者に対する壮大なスケールの激励であると言うことができます。

あなたはイエス・キリストによって選ばれ、祭司の役割を果たすために召されているのです。愛の使者であって、それは最も尊い使命であります。

 

昨年12月4日に、2年前に亡くなられた中村哲ドクターの記念式がありました。キリスト教海外医療協力会からの派遣でアフガニスタンでハンセン氏病の人々の医療を長年果たし、近年はペシャワール会の指導者として水の供給のために奔走されました。世界で最も貧しい人たちに、水を供給して作物を作り、豊かな生活をもたらしたいという彼の祈りは実現しました。図らずもタリバンに銃撃されて73歳で召されました。中村先生の生き方はまさに神から派遣された祭司としてアフガニスタンの人々に執り成しの祈りを捧げたと思わせられます。

 

皆様が置かれた場所に於いて、神の祭司であることを確認してください。あなたに与えられている尊い使命があります。それを果たそうとする者は、奇跡を見る人生を歩むことができるのです。

神の祝福が豊かに注がれますようにお祈りいたします。

小田 彰