2021.6.20

テーマ「キリストの手紙」

聖書 第二 コリント3:1〜3

 

  東京においては緊急事態宣言が解除されましたが、蔓延防止等重点措置のために7月11日まで礼拝が休会となります。このメールメッセージが皆様の信仰の支えとなりますように、またYouTubeの動画メッセージもご覧下さるようにお願いいたします。

  

 今日は第二コリントにおいてのみ見出される「キリストの手紙」という言葉に着目してお話しいたします。

           

「そして、あなた方は自分自身が、私たちから送られたキリストの手紙であって、墨によらず生ける神の霊によって書かれ、石の板にではなく人の心の板に書かれたものであることを、はっきりと表している」(3:3)

新改訳聖書では「あなた方が私たちの奉仕よるキリストの手紙である」と訳しています。

 

 コリントの教会には、エルサレムから推薦状をもらって訪ねてきた中堅リーダーが、パウロを批判し教会を混乱させていました。その当時のキリスト教の宣教はエルサレムから始まって自然発生的に地中海全体に広がっていました。ペンテコステ直後パウロも伝道を開始し、聖霊に満たされて福音を伝え始めましたが、はじめの教会のリーダーたちの指示に従って動いたわけではなく、聖霊に導かれて伝道を展開していました。紀元50年頃コリントを訪れ語り始めた時に大きな反響を得て、コリント教会が誕生しました。そのニュースを聞きつけてエルサレムから来た人たちは、パウロは迫害者であってイエス・キリストから直接教えを受けていないなどと批判したのです。彼らはユダヤ教的な習慣を優先的に持ち込もうとしたのですが、パウロはイエスキリストによる自由と一切のモーセ以来の律法主義を撤廃して福音主義に立っていたのです。

 

 そこでパウロは、私にとっての推薦状はコリント教会そのものであり、そこに集まっている兄弟姉妹一人一人がキリストの証人であると述べたのです。この信徒一人一人は、パウロの働きの中から形作られた「キリストの手紙」であると言いました。

 

 さて私は伝道者として、これまで導いた多くの人たちが「キリストの手紙である」と言い得るだろうか。良いクリスチャン、そうでもないクリスチャンという評価をする事はあったとしても、「キリストの手紙」とは言えない感じがいたします。

 いや、しかしキリストの手紙なのです。パウロが残した伝道の働きの結果、中世の宗教改革者や、18世紀のジョンウェスレーはじめ世界の伝道者、1890年に来日したバークレーバックストン。このバックストンは私がイエスキリストを聖書の中に見いだすために大きな影響を与えました。まさに「日本に送られたキリストの手紙」でありました。そして現代に至るまで受け継がれてきた「キリストの手紙」を読み、受け入れ、信じ、従ってきたゆえに今日この手紙があるのです。

 

 兄弟姉妹!あなたの生き方、言葉、判断、証、逆境の中における賛美、行動の一つ一つがキリストの手紙でありますように!

 

 それは単に文字で書かれた証ではなく、聖霊によってあなたの心の肉皮に刻まれた神の言葉であります。「キリストの手紙」は、あなたの手からまた誰かの手に渡されていきます。このキリストの手紙は世界の終わりを見るその日まで拡散していく神の業なのです。

 

 この御言葉を深く読み取っていただいて、あなたの人生がキリストの代弁者であることを認識し、聖霊に満たされて前進されますようにお祈りしています。今週も神の祝福が豊かにありますように。

小田 彰